AIを使った業務改善をチームに広げる
チームでClaude Codeを使いこなす
CLAUDE.mdなど設定ファイルの書き方と、チームメンバーへの反映方法を紹介します。
複数人のチームでClaude Codeを使う場合、「毎回同じ説明をする」「人によって使い方がバラバラ」といった困りごとが出てきます。ここでは、チームで設定を揃えるための基本的なファイルと、その内容の書き方、チームメンバーへの反映方法を紹介します。
最小構成(これだけあれば十分)
社内ツール用フォルダ/
├── CLAUDE.md # チーム共有ルール(コミットする)
├── CLAUDE.local.md # 自分だけのメモ(.gitignoreに入れる)
└── .claude/
└── settings.json # 危険な操作を防ぐ設定(コミットする)
外部サービス連携やカスタムコマンドといった機能もありますが、まずはこの3つで十分です。必要になったら後から足せます(この記事の最後で軽く触れます)。
CLAUDE.md ── 一番大事なファイル
Claude Codeがフォルダを開くたびに自動で読み込む「引き継ぎメモ」です。同じ説明を毎回入力しなくて済むようにするためのものです。
| 書くべきもの | 書かなくていいもの |
|---|---|
| 覚えておいてほしいコマンド(例:スクリプトの実行方法) | コードを読めば分かること |
| このプロジェクト特有のルール | 一般的な当たり前のこと |
| よくある落とし穴・注意点 | 頻繁に変わる情報 |
| 「これはやってはいけない」ということ | 詳しいAPI仕様(リンクだけでOK) |
建設業の社内ツール向けテンプレート例
# 社内ツール(実行予算表・工程表まわり)
## このプロジェクトについて
実行予算表・工程表・週次報告などのExcel/CSVを扱う社内スクリプト集。
## よく使うコマンド
- スクリプトの実行: python3 <スクリプト名>.py
- 実行後は、出力されたファイルを開いて数字が合っているか必ず確認する
## ルール
- CSVの文字コードはShift-JIS(Excel日本語版の標準)を前提にする
- 個人情報・実在の取引先データは含めない。サンプルデータで確認する
## 注意点
- 実行予算表・出来高など金額に関わるファイルへの変更は、担当者の確認なしに反映しない
- ファイルを削除するコマンドは必ず確認してから実行する
注意:CLAUDE.mdは200行を超えると、逆にルールが埋もれて守られなくなります。増えてきたら、テーマごとにファイルを分けることもできますが、最初はこの1ファイルで十分です。
チームへの反映方法(2通り)
方法1:ファイルをgitで共有する(基本)
CLAUDE.mdや.claude/settings.jsonは、ただのファイルです。git(ファイルの変更履歴を管理する仕組み)を使って、次の流れでチーム全員に届きます。
- 自分の手元でCLAUDE.mdやsettings.jsonを編集する
- 変更をコミットする
- pushする
- 他のメンバーは、次に
git pullしたタイミングで同じ内容が反映される
例:settings.jsonに「rm -rfを禁止する」ルールを1行追加したとします。追加した本人がコミット・pushすれば、他のメンバーは次に作業を始めるときにgit pullするだけで、同じ禁止ルールがそのまま適用されます。インストールし直したり、個別に設定をコピーしたりする必要はありません。
逆に言うと、pullし忘れているメンバーには反映されません。「CLAUDE.mdを直したはずなのに効いていない」というときは、まずgit pullを忘れていないか確認しましょう。
gitのコミット・push・pullといった基本操作にまだ慣れていない場合は、Git公式サイトの入門ドキュメントを先に読んでおくと理解しやすくなります。
方法2:Team/Enterpriseプランの管理画面から配布する(会社として強制したい場合)
前のページで紹介した有料プラン(Team・Enterprise)では、claude.aiの管理画面(Admin Settings > Claude Code > Managed settings)から設定を配布できます。
- 設定できるのは、組織のOwnerまたはPrimary Owner権限を持つ人だけ
- 画面上でルールを保存すると、メンバー全員のClaude Codeが起動時と1時間ごとに自動で取得する
- メンバー側は何もする必要がない(gitのpullのような手動操作すら不要)
方法1との一番の違いは「強制力」です。方法1はファイルを直接編集・削除されると効かなくなりますが、方法2は個人の設定で上書きできません。「これだけは絶対に守ってほしい」という全社ルール(例:重要なデータを扱うコマンドの禁止)がある場合に使います。
settings.json ── 危険な操作を防ぐ
{
"permissions": {
"deny": [
"Bash(rm -rf *)",
"Bash(git push --force *)"
]
}
}
これをコミットしておくと、「うっかり全部消す」「強制的に上書きする」といった、取り返しのつかない操作をチーム全員が防げます。難しい設定を書く必要はなく、まずは「やってほしくないこと」を2〜3個書くだけで十分です。
さらに必要になったら(今は覚えなくてOK)
- AGENTS.md:Claude Code以外のAIツールも使う場合の共通ルールをまとめておくファイルです。CLAUDE.mdの先頭に
@AGENTS.mdと書くだけで読み込めます .claude/commands/:よく使う指示を短いコマンドで呼び出せるようにする機能です- MCP連携:Notion・GitHubなど外部サービスと連携したいときに使う設定です。Claudeと普段使うツールをつないでみるを参照してください
よくある失敗
- CLAUDE.mdが長くなりすぎて、逆に守られなくなる(200行が目安)
- 話題が変わったのに前の会話を引きずってしまう(新しい話題では仕切り直すとよい)
- 同じ間違いを2回した場合、直そうとせず、一度やり直した方が早いことが多い
新しいメンバーが始めるとき
- Claude Codeをインストールする(導入方法を参照)
- プロジェクトのフォルダを用意する(
git cloneでリポジトリを取得するか、既存フォルダでgit pullする) - そのフォルダで
claudeと入力して起動する /contextと入力し、読み込まれているファイルの一覧を確認する
手順4で確認すること:一覧に「Memory files」という項目があり、そこにプロジェクトのCLAUDE.mdが表示されていれば成功です。表示されていない場合は、claudeを起動したフォルダが、CLAUDE.mdのあるフォルダ(またはその配下)かどうかを確認してください。
うまく読み込まれないときによくある原因
claudeを起動したフォルダが、CLAUDE.mdがあるフォルダの外だった- 手順2の
git pullを忘れていて、古い(または存在しない)CLAUDE.mdのままだった - CLAUDE.mdの書き方に誤りがあり、正しく読み込まれていなかった
これで、新しく入ったメンバーもチーム全員と同じルール・設定でClaude Codeを使い始められます。
まとめ
- CLAUDE.mdは、Claude Codeに毎回読み込ませる「引き継ぎメモ」。コマンド・ルール・注意点を書く
- チームへの反映は、基本はgitのコミット・pushだけ。会社として強制したいルールがあれば、Team/Enterpriseプランの管理画面も使える
.claude/settings.jsonで、削除や強制上書きなど危険な操作をあらかじめ防げる- CLAUDE.mdは200行を目安に。長くなりすぎると守られなくなる