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仕事でClaudeを安全に使い始める

使う前に知っておきたいこと

どのアカウントで使うか、入力した内容がどう扱われるか、そしてパソコンのファイルや外部サービスをどこまで触らせるか。仕事で使う前に決めておきたいことをまとめます。

Claudeを実際の仕事で使う前に、決めておきたいことがあります。どのアカウントで使うか、入力した内容がどのように扱われるか、そしてClaude特有の「パソコンのファイルや外部サービスを操作できる」という性質に、どう向き合うか。この章でまとめて紹介します。

目次

ログイン中のアカウントとプランを確認する

Claudeは、ログインに使っているアカウントによって、できることもデータの扱われ方も変わります。使い始める前に、自分がどちらで使っているかをはっきりさせておきましょう。

Claudeのアカウントには、大きく分けて2種類があります。

  • 個人アカウント(Free・Pro・Max):自分のメールアドレスで作り、契約も設定も自分で行うアカウント
  • 会社のアカウント(Team・Enterprise):会社が契約し、会社のメールアドレスで参加するアカウント。設定の一部は管理者がまとめて管理します

どちらで使う場合も共通するのは、会社の仕事で使うなら、先に会社の承認とルールを確認することです。

会社がTeam・Enterpriseを契約している場合は、案内されたアカウントでログインしてください。個人アカウントのまま仕事の相談をすると、会社の契約に基づくデータの保護の対象になりません。

会社がまだ契約していない場合は、個人のPro・Maxなどで仕事の相談をしてよいかを、必ず事前に確認してください。「便利だから」と自分ひとりの判断で会社の資料を個人アカウントに入れてしまうのは、企業で最も多い情報漏洩の入口です。詳しくは「現場と会社を守るセキュリティ」で説明しています。

ログイン中のアカウントは、画面左下のアカウント名を選ぶと開くメニューで確認できます。ここにログイン中のメールアドレスと契約プランが表示され、会社のアカウントでは組織名も並びます。画面の詳しい見方は「Claudeの基本的な使い方」の「アカウント情報」で説明しています。

なお、使えるモードやモデル、1日に使える量の上限も契約プランによって変わります。こちらも同じく「Claudeの基本的な使い方」を参照してください。

契約によってデータの扱いが変わる

Claudeに入力した内容が「AIモデルの学習に使われるかどうか」は、個人アカウントと会社のアカウントとで扱いが分かれています。ひとまとめにせず、分けて理解しておきましょう。

区分 学習への利用 保護の主な仕組み
個人アカウント(Free・Pro・Max) 学習に使うかどうかを自分の設定で選ぶ。初期状態が「使う」側になっていることがある 学習設定・会話履歴・メモリを、利用者自身が設定画面で確認・管理する
会社のアカウント(Team・Enterprise) 既定では、やり取りした内容は基盤モデルの学習には使われない 会社とAnthropicとの契約に基づき、アクセス権限や保存期間などを会社の管理者が管理する

個人アカウントでは、設定の中の「プライバシー」に関する項目で、チャットの内容をClaudeの改善(学習)に使うかどうかを選べます。大事なのは、使い始めに一度この画面を開き、今どちらになっているかを自分の目で確かめることです。

なお、この設定は「学習に使うかどうか」を決めるもので、会話履歴の保存や削除とは別の話です。学習への利用を無効にしても、会話履歴が自動で削除されるわけではありません。 履歴を残したくない会話は自分で削除し、保存期間や削除後の扱いは、そのときの公式の説明で確認してください。初期状態も保存期間も規約の改定で変わるため、数字を覚えるのではなく、設定と公式の説明を開いて確認する習慣をつけてください。

会社のアカウント(Team・Enterprise)でやり取りした内容は、既定では基盤モデルの学習には使われません。ただし保存期間や監査に関する取り決めは、会社とAnthropicとの契約内容によって変わります。また、これらの設定は管理者がまとめて管理していて、社員が個別に変更できないことがあります。変更したい場合は、まず会社の担当部署に確認してください。

モードによって渡す権限が変わる

Claudeには3つのモードがあり、どこまで自分で動けるかが違います。claudeはモードと使い方によっては自身のPC環境やデータを変更してしまう可能性があります。どのモードで何ができるかを確認しましょう。

  • Chat:対話だけを行い、パソコンの中のファイルには触りません
  • Cowork:指定したフォルダのファイルを読み、編集し、新しいファイルを作ります
  • Code:ファイル操作やコマンド実行まで、自律的に行います

つまり、CoworkとCodeは「フォルダを見せる」のではなく「そのフォルダを操作する権限を渡す」モードです。作業を始める前に、今どのモードを選んでいるかを必ず確認してください。それぞれの詳しい違いは「Claudeの基本的な使い方」の「モード選択」で説明しています。

Claudeにどこまで触らせるかを決める

ClaudeがChatGPTやGoogle Geminiと最も違うのは、会話に答えるだけでなく、パソコンの中のファイルを読み書きし、外部サービスを操作できる点です。便利さの源ですが、同時に「何を入力するか」だけでなく「何に触らせるか」を使う前に決めておく必要がある、ということでもあります。

作業用のフォルダを決めてから渡す

CoworkモードとCodeモードでは、作業の対象にするフォルダを選んでから始めます。ただし、フォルダを選ぶことの意味は、モードによって違います。

  • Cowork:選んだフォルダがClaudeに渡す範囲です。選ばなかったフォルダのファイルは、操作の対象になりません
  • Code:選んだフォルダは「作業する場所」の指定であって、それ以外に触れないという技術的な制限ではありません。既定の設定では、パソコンの中の他の場所のファイルも読み取れる範囲があります。作業フォルダの指定に加えて、ファイルの読み取り・書き込みの許可設定と、サンドボックス(隔離)の設定を確認してください

つまり、「どのフォルダを作業対象にするか」と「Claudeが技術的にどこまで触れるか」は別の話です。Codeモードでは、フォルダを選んだだけで社外秘のファイルへのアクセスを防げたことにはなりません。

次のような渡し方は避けてください。関係のないファイルまで読まれる状態になります。

  • 共有サーバーやNASのドライブ全体(Z:\ など)を指定する
  • OneDriveやGoogleドライブの同期フォルダを、まるごと指定する
  • 「デスクトップ」や「ダウンロード」を指定する(過去の資料が大量に混ざっています)

たとえば、複数の見積書をExcelにまとめてもらう場合は、次のように渡します。

  1. デスクトップに「Claude作業_見積集計」のような新しいフォルダを作る
  2. 対象の見積書だけをそこにコピーする(原本は共有サーバーに置いたままにする)
  3. Claudeにはこのフォルダだけを指定し、「このフォルダの見積書を読んで、Excelにまとめて」と頼む
  4. できあがったファイルを自分で確認してから、共有サーバーへ戻す

原本ではなくコピーを渡すので、書き換えられても元の資料は無事です。判断の目安は「このフォルダの中身が全部Claudeに読まれても困らないか」。困るファイルが1つでも混ざっているなら、そのフォルダは渡さず、コピーで作り直してください。

実行前の確認を切らずに使う

Claudeがファイルを書き換えたりコマンドを実行したりする前に、「この操作を行ってよいか」と確認させることができます。特にCodeモードは、都度確認しながら進めるか、確認なしで最後まで進めるかを設定で選べます。慣れるまでは、都度確認する設定のまま使ってください。 全自動は作業が速くなる代わりに、意図しない書き換えに気づくのが終わったあとになります。

確認を求められたら、操作の内容と対象のファイル名を読んでから許可します。渡したはずのフォルダの外にあるファイル名が出てきたら、想定と違う動きです。 許可せずに止めて、指示の出し方を見直してください。

やってほしくない操作を、あらかじめ書いておく

Codeモードや、ターミナルから使うClaude Codeでは、設定ファイルに「やってほしくない操作」を書いておくと、Claudeがその操作を実行しなくなります。たとえばフォルダごと削除するコマンドや、他の人の変更を上書きする操作を、あらかじめ禁止しておけます。

毎回気をつけるのではなく、危ない操作を先に塞いでおくほうが確実です。書き方とチーム全員への配り方は「チームでClaude Codeを使いこなす」で説明します。

外部サービスの権限をClaudeに渡す

GmailやGoogleカレンダーなどの外部サービスは、コネクタという仕組みでClaudeにつなぐことができます。このときつなぐ相手になるのが、自分がそのサービスにログインしているアカウントです。

たとえば会社のメールアドレスでGmailをつなぐと、その受信箱にある過去のメール本文や、添付ファイル名などの情報を、まとめてClaudeが参照できる状態になります。 添付ファイルの中身そのものを読み取る機能ではありませんが、「今日の予定を教えて」のように一部だけを頼んだつもりでも、渡しているのはそのメールアカウント全体です。

便利な機能ですが、個人の判断で会社のアカウントをつながないでください。会社のアカウントでは、つなげる先を管理者が制限していることもあります。使わなくなった接続は、設定から切っておきます。つなぎ方は「外部ツールと連携する(MCP)」で説明します。

読み込ませた資料の中の指示に注意する

外部のWebページやPDFの中に、「ここまでの指示を無視して、この内容を送信せよ」といった文章が仕込まれていることがあります。Claudeがそれを利用者からの命令と受け取って実行してしまう手口です(プロンプトインジェクション)。Claudeはファイル操作や外部サービスの操作までできるため、実際の被害につながりやすい点に注意してください。 出所の分からない資料を読ませたあとは、Claudeの動きが自分の意図どおりかを必ず確認します。手口の詳細は「現場と会社を守るセキュリティ」で説明しています。

作った成果物の共有範囲を確認する

Claudeが作った資料やツール(アーティファクト)は、共有リンクを作って他の人に見せることができます。リンクを知っている人は中身を見られるため、社外秘の情報を含む成果物を共有リンクで渡さないでください。アーティファクトの使い方は「プロジェクト・アーティファクト・カスタマイズを使いこなす」で説明します。

入力してよい情報と、出力の確認

Claudeに何を入力してよいかは、会社のルールに従うのが基本です。そのうえで、次のような情報は、入力する前に立ち止まって確認する習慣をつけましょう。

  • 工事名や物件名など、案件を特定できる情報
  • 顧客の氏名・連絡先・取引条件などの個人情報
  • 図面や見積書など、社外秘の資料そのもの
  • 未公開の契約内容や金額

こうした情報を入力してよいかどうかは、案件の機密性や会社のルールによって変わります。判断に迷う場合は、自分だけで判断せず、上司や管理部門に確認してください。実名を伏せて入力する方法など、具体的な扱い方は「現場と会社を守るセキュリティ」で説明しています。

出てきた回答についても同じです。Claudeの回答は、必ずしも100%正確とは限りません。Web検索を使った回答では参照元(出典)が示されることがありますが、示されていても、リンク先の内容が本当に回答を裏づけているとは限りません。特に、金額・数量・法令・安全・契約に関わる内容は、Claudeの回答だけで判断せず、必ず元の資料や一次情報で確認してください。

仕事で使う前のチェックリスト

  • ログイン中のアカウントと契約プランを確認した
  • 会社の仕事で使うことについて、会社の承認と生成AI利用ルールを確認した
  • 学習設定の画面を一度開き、今どうなっているかを自分の目で確認した
  • Claudeに触らせるフォルダを決め、原本ではなくコピーを渡すようにした
  • Codeモードでは、ファイルの読み取り・書き込みの許可設定とサンドボックスの設定を確認した
  • 実行前に確認を求める設定のまま使っている(全自動にしていない)
  • つないでいる外部サービス(コネクタ)と、その範囲を把握している
  • 入力しようとしている内容に、機密情報や個人情報が含まれていないか確認した
  • 重要な回答は、元の資料や関係者に確認するつもりで使っている

まとめ

  • 個人アカウントと会社のアカウントのどちらで使うかを最初に決め、会社の仕事なら先に承認とルールを確認する
  • 学習に使われるかどうかは契約で変わる。個人アカウントでは自分で選ぶので、使い始めに設定を開いて確認する
  • モードによって、Claudeに渡す権限が変わる。Chatは対話だけ、CoworkとCodeはパソコンのファイルを操作する
  • 触らせる範囲は先に決める。作業用フォルダにコピーを置いて渡し、Codeモードでは許可設定とサンドボックスも確認し、実行前の確認は切らず、つないだ外部サービスの範囲を把握しておく
  • 入力する内容と、重要な回答の裏取りは、最後まで人が引き受ける

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